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■オモシロ英語修得記
[ 第 12 回 ]
英語の修得と留学


「英語を身につけるには留学が一番」とよく言われます。
私も留学によって実践英語を身につけましたが、この考えには反対です。
留学中、私のまわりには何人もの日本人がいました。そのほとんどが語学留学生でした。

語学留学と学位留学

31歳で社会人留学したわたしからみれば、英語の修得を目的に渡米してくる人たちは、みんな若くていい子ばかりでした。
しかしながら、全体の90%はアメリカでの生活をエンジョイするのが目的であるような振る舞いをしていました。
大学付属の語学学校に通いながら、カタコトの英語でアメリカ人としゃべり、そのほかの時間は日本人同士でショッピング、テニス、ドライブなどを楽しむ。
わたしはこんな彼らの行動を批判しません。アメリカでの生活は、素晴らしい青春のひとときです。
何にも代え難い経験を得、異文化にふれることにより、自分の感性を磨くことができるはずです。

しかし、それでも、10%の語学留学生は真面目に英語に取り組んでいたように思います。
常にネイティブスピーカーとの会話機会をもとめ、自分の部屋で英語フレーズのリスニングやスピーキングのトレーニングをしていたようです。
しかし、それでも語学留学で身に付く英語力には限界があります。

ではどうすれば良いのでしょうか?
留学で高いレベルの英語力を身につけるのなら、学位留学をすることです。
つまり、大学に入学して学位をとること。
私のまわりにいた日本人大学生で、英語のできない人はいませんでした。
それもそのはず、アメリカの大学は留学生を英語が苦手だからと手加減することはありません。
英語が分からず、悪い成績を続けていればすぐに退学、そして退学になった人はビザの関係でアメリカには滞在できません。
ですから、必然的に英語力が身に付くのです。

私の場合

私の経験を紹介します。

まず、工学部に所属していたころ、一般教養としてマクロ経済、ミクロ経済、アメリカ史の単位を取らされました。大きな教科書には英語がびっしり書かれていて、毎週、何十ページも進んでいきます。アメリカ史の授業などは、参考図書も紹介されていて、それらを読んでレポート書く宿題がたくさんでました。

専門の工学部でも同じでした。各授業では教科書以外の課題書を読んでレポートを書いたり、グループでディスカッションして報告書をまとめる、といった宿題が山ほど出ました。

大学院に進むと、さらに凄惨を極めます。
昼間は研究のため、実験室で準備。教授や助手と研究の打合せをして、実験につかう道具や材料はすべて自分で注文し、費用を大学に申告しなければなりません。もちろんすべて英語。

夕方から夜にかけて大学院の授業があります。アメリカでは、社会人が大学院の授業を受けることが多いため、6時とか7時から授業がはじまることが多いのです。大学院の授業では過去の研究論文を読んでそれらをまとめ、これまでの研究成果で足りない物を把握します。それを踏まえてこれから何を研究すればよいか、というテーマでつねに議論をします。

夜になって、ようやく宿題をやったり、試験のための勉強です。まさに寝る間もありませんでしたし、大学でも5分、10分の時間を惜しんで教科書と格闘していたのを覚えています。おかげで私は、大学院を卒業するころ、厚さが5cm〜6cmもあるような工学専門書を斜め読みしながら修士論文を書くようになっていました。

以上のことからわかるように、留学で英語を身に付けるのは、それ相応の覚悟が必要だということです。学位目的の留学は、ハードルが高く費用もかかりますが、実現すれば学問を履修するためのツールとして、必然的に(強制的に)英語力が身につきます。
一方、語学留学は費用も安く気軽に実現できますが、効果は多少割り引かなければなりません(本人の心構えによりますが・・・)。繰り返しになりますが、「アメリカンライフをエンジョイしながら英語に慣れる」という考え方も、私は否定しません。ただし、その場合、身に付く英語力には限界があり、語学留学とはそういうものだという認識が必要だと思います。


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